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東日本大震災第4次復興支援



 第4次東日本大震災仮設自治会支援報告



 -仮設設住宅の被災者たちからの伝言-



 
人権連神戸人権交流協議会・NPOまちづくり 
              神戸仮設住宅支援プロジェクト


 

 

 8月2・3・4日にわたりまして、神戸人権交流協議会とNPOまちづくり神戸の合同で、第4次東日本大震災仮設自治会支援を行い、各自治会に総額20万円の支援金を手渡してきました。この支援には本多昭一(NPO理事長)、神戸人権交流協議会から森元憲昭、内海恵太が参加しました。

 今回は、これまで訪問していなかった福島県いわき市の原発災害避難者の仮設も訪問し、「帰りたくても帰れない」という被災者の切実な声を聞いて来ました。 また、これまで持続的に支援してきた宮城県内の仮設も訪問し、様々に変化していく仮設住民の生活と自治会の苦労話を聞かせていただきましたのでご報告いたします。


表彰状 (744x1024)

自立支援に多大な貢献・8月4日、NPOまちづくり神戸を先頭にして神戸人権交
流協議会が継続してきた支援活動に対して、石巻仮設住宅自治連合会から「同
じ震災を受けた神戸の人たちからの励ましは特別です」と、感謝状(左)をいただきました。









一時帰宅で家に帰ると悲しくなる


いわき市大熊町仮設住宅


 8月2日、午後3時過ぎ、いわき市内の好間工業団地内にある大熊町仮設住宅を訪問しました。応対していただいたのは市川スミ会長と婦人役員の佐藤さんと西山さんでした。

大熊町仮設自治会左から市川スミ子会長本多昭一NPOまちづくり神戸理事長森元憲昭神戸人権交流協議会副理事長

いわき市を訪れた本多昭一理事長(中)と森元憲昭事務局長(右)。左側の人は大熊町仮設自治会の市川スミ会長。


 大熊町仮設
いわき市大熊町仮設住宅の様子

大熊町仮設自治会のみなさん。右端が市川スミ会長。 (1024x683)
大熊町仮設自治会のみなさん。右端が市川スミ会長。

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市川自治会長に支援金をお渡ししてきました



 8月2日、午後3時過ぎ、いわき市内の好間工業団地内にある大熊町仮設住宅を訪問しました。応対していただいたのは市川スミ会長と婦人役員の佐藤さんと西山さんでした。

 市川会長のお話しによれば、仮設の住民は帰還困難区域(放射線の年間積算線量50ミリシーベルト以上)に指定されている大熊町の人ばかりで、喧嘩などのトラブルはないそうです。その背景には、仮設の住民の4割の人が今も東京電力とその関連企業で働いており、お互いに干渉しあわない雰囲気があるそうで、それがコミュニティにも反映しているそうです。

 大熊町の今の状況を聞くと、一時帰宅のときに家に入ったら、保存していた米を食べて大きくなったらしく「割り箸くらいの尻尾のねずみがいた。子どもみたいな足音をたてて逃げた」という。他の役員たちの家も同じ状態になつているそうです。また、三年を過ぎると、閉め切った家の中は湿気で畳が浮き上がり、天井や壁にカビが生え始めており、「それを見ると悲しくなる」といいます。



賠償金で「いい生活している」という批判



 賠償金について、福島県民の一部から心無い批判が出ていることも話題になりました。

 西山さんの話しによると、「原発交付金でいいめをしてきて、事故が起こったら今度は多額の賠償金をもらっていい生活し、いい家を建てている」という批判だそうです。単なる流言の類であろうと思いましたが、実際に、いわき市内で新築の家を購入した被災者が、近所に引越挨拶に行くと、「あんたの家とは付き合わない」と拒否されたという。

 市川会長は「ふるさとに帰れない。家族がばらばらに暮らさなければならないつらさはお金で量れないことが分からない人がいるのは残念です」と悲しそうに話していました。

 人間の技術では制御できない原発を住民を欺き設置し、大事故が起こったらなりふり構わず「金目」で解決しようとする政府と東電の醜さが、福島県民の中にきしみを生み出しているのです。




いわき市内双葉町仮設


悲観から病気になって多くの人が亡くなった


いわき市双葉町仮設住宅

 8月3日、午前10時過ぎ、同じく帰還困難区域に指定されている双葉町から避難してきた住民の暮らすいわき市内にある双葉町仮設を訪問しました。

 ここでは自治会長が所要で不在のために庶務担当の山本清一、会計の横田孝清さんのお二人が応対してくれました。


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双葉町仮設自治会に支援金をお渡ししてきました。会長不在のため庶務担当の山本清一、会計の横田孝清さんのお二人が応対してくれました。

 仮設の状況を伺うと、テレビや話し声、トイレなどの生活音での近隣トラブルが多く、「最初は仲裁に入ったが精神的・肉体的負担が多いので、役場の人に仲裁に入ってもらっている。前会長はそうした中で病気になって辞任した」という、やはり仮設の自治会長は過酷な役職のようです。
 さらに、住民の状況について尋ねると、横田さんから、「避難先で亡くなった人は多い。悲観から病気になっている。仮設でも亡くなった人がある」と、ふるさとを追われ転々とする状況が精神的・肉体的に人を追い詰めていくことの厳しさを話してくれました。さらに、山本さんは、苦しい胸の内を「年配の方はいつも『帰りたい帰りたい』と言っている。私も同じ気持ち、帰れば家がある。修繕すれば使えるのに捨てなければならない。出来るなら事故前に戻してほしい」と心から訴えていました。 




仙台市あすと長町仮設住宅


残されていく人たちが心配



 8月3日、午後3時過ぎ、仙台市内にあるあすと長町仮設住宅を訪問しました。この訪問で4回目となります。


あすと長町仮設住宅

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飯塚正広会長は仮設の子供たちのストレスが増加していることや
自治会を担う人たちがいなくなることを心配しておられました


あすと2
あすと長町仮設自治会に支援金をお渡ししてきました。



 飯塚正広会長、都市計画コンサルタントの阿部重憲さん、仮設支援団体の代表谷政子さんが対応してくれました。

 飯塚会長に今の仮設の状況についてお聞きすると、「4年目を迎えて、近隣トラブルが増えてきている。劣悪な居住環境に長期にわたり居住を強いられている中で、大人も子どもも相当なストレスがたまっている。学校では仮設から通う小・中学生の問題行動が増えている」と話していました。 

 住宅再建の状況についてお聞きすると、「当初は233世帯が入居していたが、自力再建、賃貸住宅への移転などにより180世帯ほどに減少し、さらに、市内3ヶ所で災害復興住宅の建設が進められており、多くの被災者が来年の3月には入居できる予定になっている。しかし、依然として50世帯は仮設に残されるそうで。私も災害復興住宅に入居するので、自治会を担う人たちがいなくなることが心配」と、残される住民のことを心配していました。







石巻市仮設住宅自治連合会を訪問


トラブル増加、復興への道はまだ遠い



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石巻仮設連合自治会の増田敬会長(右)と内海徹事務局長(左)

 8月4日、午前10時に石巻市にある石巻市仮設住宅自治連合会を訪問、石巻市仮設住宅自治連合会を訪問するのは3回目です。増田敬会長、内海徹事務局長が応対してくれました。

 内海さんは仮設住宅の現状について、他の仮設住宅と同様に近隣トラブルが増加していること、その背景には「劣悪な住環境のもとで長期に生活することの精神的・肉体的苦痛の蓄積がある」ことを指摘していました。さらに、住宅再建では、「石巻市では134の応急仮設住宅団地が建設され、当初は7053世帯が入居していましたが、3年が経過して、自力再建や仕事の都合で約一割が転出し、現在6198世帯となっている。災害復興住宅は4000戸が計画・着工され、来年の3月までにほぼ1000戸が完成し、仮設から約1000世帯が移転する予定になっているが、まだまだ道は遠い」という。

 また、増田さんは、老朽化していく仮設の状況について、「大森第三仮設では地盤の柔らかい敷地に建設されたこともあり棟全体が傾いてしまった。他の仮設に移転させようとしているが、動きたくないという高齢者もいる」と、仮設住宅の老朽化とともに露呈してくる諸問題への対処に自治会として苦慮していることを話していました。

石巻仮設自治連合会に支援金をわたす本多昭一先生 (1024x683)


石巻仮設自治連合会に支援金をわたす本多昭一先生(中央)。また逆にNPOまちづくり神戸の支援に対して上記の感謝状をいただきました。









仙台市東通仮設住宅町内会

みんなが復興住宅に入れるかどうかわからない


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東通仮設住宅町内会に支援金をお渡ししてきました。



 同日、午後1時より、仙台市内の東通仮設住宅町内会を訪問しました。安達薫会長、早坂勝良副会長をはじめ5人の役員のみなさんが対応してくれました。

 安達会長に活動内容と課題についてお聞きすると、安達さんは、他の仮設と同様に近隣トラブルが発生していること、その解決に苦慮していることをお話しされました。

 住宅の再建については、この仮設には当初194世帯が入居していたが、自力再建と災害復興住宅の建設に伴い、約120世帯が転出したため、随分寂しくなったという。仮設に残された住民の今後について聞くと、「最初は自力再建を考えていた人が災害復興住宅にまわっている。しかし、今の仙台市の計画戸数で全員が入れるどうか?」と不安を語っていました。





仙台市岡田西町仮設

後世のために仮設自治会活動の記録を残します



岡田西町仮設自治会二瓶勝男会長中央
岡田西町仮設自治会を訪問したメンバーを笑顔で出迎えてくれた
二瓶勝男会長。

岡田西町仮設自治会


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初代の会長二瓶誠治さん(現南蒲生町内会会長)・右手前、二代目
会長佐藤匡さん・左奥、現会長の二瓶勝男さん・中央



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岡田西町仮設自治会へ支援金をお渡ししてきました。

 同日、午後3時より、仙台市内の岡田西町仮設自治会を訪問、岡田西町仮設を訪問するのは4度目となります。そのせいか、初代の会長二瓶誠治さん(現南蒲生町内会会長)、二代目会長佐藤匡さん、現会長の二瓶勝男さんが揃い踏みで応対してくれました。 この仮設には当初82世帯が居住していましたが、現在は25世帯まで減少し、来年の3月頃までにはすべての住民の行く先が決まり移転が完了するそうです。

 佐藤前会長は、仙台市内でもいち早く仮設解消が実現し、復興の手本になるかもしれませんが、住宅を自力再建した人たちのほとんどが「親子ローン」「二重ローン」で再建しているので、「素直には喜べません」という。

 「NPOまちづくり神戸」として、「行政の記録は残されているが仮設住民の自主的な活動・自治活動の記録はほとんど残されていません。今後の震災のためにぜひ記録を残しておいて下さい」と要望すると、二瓶初代会長が「それは必要です。蒲生町全体でも考えてもらいます」と同意していただきました。








第4次支援から見えてきた復興への課題



 今回の仮設自治会の支援を通じて、明らかになってきたことは、福島県内の原発避難者は放射能の濃度によって区域が分けられ、賠償基準や額が決められるという枠組みの中で、たらいまわしされ命を断たれ、狭い仮設に閉じ込められ静かに帰郷への思いまで断たれようとしていることです。こうした避難者の状態を顧みず、安倍内閣が原発輸出、再稼動に突き進む姿は異常としかいいようがありません。

 また、地震・津波の被災者たちも長い仮設住宅での生活でストレスをため、断腸の思いで「親子ローン」「二重ローン」を利用して自立をはじめています。さらに、災害復興住宅の建設がすすむと、早いところでは仮設の解消が進められることになりますが、石巻市などのように、自力再建、災害復興住宅建設だけでなく、集団移転などを含む多様な手法による住宅再建をすすめようとしている自治体では、さらに長期にわたり仮設住宅に被災者を閉じ込めておかなければなりません。こうした中、震災直後から献身的に自治を担ってきた人々が転出をはじめ、「肩をよせあい励ましあったコミュ二テイ」は急速に崩壊していくことになり、今後の仮設住宅には住宅・生活再建をする上で大きな困難や課題を抱えた被災者が残されていくことになります。仮設自治会のよき経験を踏まえ、被災者の相談にのり、支援していく体制を自治体として確立する必要があります。

 現在でも支援員は配置されていますが、自治・コミュニティに対する理論や実践経験のない臨時職員が多く、仮設自治会のみなさんの評判は決してよくありません。こうした問題にメスを入れて緊急に改善すべきであると考えます。

                                              (文責・森元憲昭 )


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