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部落に関する意識調査の原理は「オレオレ詐欺」に似ている

​​​​​部落に関する意識調査の原理は
「オレオレ詐欺」に似ている​​​​​​





​ ​はじめに​​

 人間には、それぞれ生育環境や人間関係によって、「思考の偏り」こと、「認知バイアス」の違いが生まれます。「認知バイアス」は個人特有の色眼鏡のようなものです。人間はその色眼鏡を通して、相手を判断しますから、好き嫌いにおのずと他人とは違う個性がでてきます。
​ 個性は大切ですが、心理学者のアドラーはこの色眼鏡認識には5つの誤り(青字部分)が生じる危険性を指摘しています。 ​
 この5つの誤りを部落問題と関連づけていえば以下の通りになります。
​①決めつける​―部落問題は苦しい。悲しい。希望が持てない。​
​②誇張する​―将来、絶対差別される。絶対結婚できない。​
③見落とす―差別的偏見のない人が存在しているのに気づかない。​
④過度の一般化―「部落民」は怖い。​
⑤誤った価値観―「部落民」は穢れている。​
 これまで全国の自治体で行われてきた意識調査の多くは、国民や市民の部落に対する差別認識の状態を把握するためにおこなわれてきたものですが、その調査は個人の「認知バイアス」と国や自治体が与える誤った情報によって左右される危険性については全く指摘していません。
 意識調査が個人の持つ色眼鏡を意図的に利用し、設問と選択肢によって調査協力者の心理そのものを誘導しているとしたら、その結果は、現実からかけ離れ、実態のない「偏見」(心のゴースト)を創りだす、「部落差別」解消に役に立たない有害なものになります。

1、部落に関する意識調査にはトリックがある​

 真面目に人権・同和教育や啓発を推進している方には誠に失礼とは存知ますが、神戸市をはじめ全国の市民意識調査を閲覧していると、その手法が、今社会問題となっている「オレオレ詐欺」と重なることに気づいてしまいました。
 そこで神戸市が5年ごとに行ってきた市民意識調査(対象は、20歳から80歳以上、郵送)の結果を参考に検証させていただき、問題提起をさせていただきます。
◯次の資料を確認してください。これは神戸市の行った市民意識調査の結婚に関する質問に対する回答を集計し、結果を円・帯グラフにしたものです。






  いかがですか?この調査の設問は「あなたのお子さんが結婚しようとしている相手が、同和地区の人であるとわかった場合、あなたはどうされますか」という質問です。​
 この円グラフを比較すると、
●5年間で「どちらかといえば家族の意見」と「明らかに家族の意見」が合わせて9.9%から12.8%に増加しています。
●「当人同士の意見」と「どちらかといえば当人同士の意見」の合計は85.4%から81.9%に微減しています。
 ​これを数字の通りに理解すれば、同和対策や人権教育・啓発はほとんど効果がないばかりか、逆効果ということになりますね。​
​​ 神戸市は同じ質問をしても同じような回答になると考えることを恐れてか、神戸市は「2005年調査」(1986年調査から19年後の調査)では、設問を「あなたが結婚する相手が、同和地区の人であるとわかった場合」に変えました ​​
 その結果が次の帯グラフです。




①「自分の意思で結婚する」と「家族や親族の反対があっても-結婚する」を合わせるとなんと47.3%しかありません。
②家族や親戚の反対があれば結婚しない。結婚しないが合わせると20%近くなります。
③「わからない」が27.9%もあります。
 19年前は「どちらかといえば当人同士」と「当人の意思」を合わせると85%以上あったのになぜこんな数字になるのか?
 ​賢明な皆様にはこの変化の理由はすぐに理解されているはず。​
 この調査では「あなたのお子さん」が「あなた」となり、結婚すべき主体が明確になっているのです。その結果、選択肢も「どちらかといえば」などという曖昧な回答をやめざるを得なくなり、選択肢がより現実的になったからです。
​​ 2005年まで行われてきた調査は市民の意識を正確に把握してきたものではなかったことになりますね。「これは大変だ!差別がきびしくなっている」「同和対策も人権・同和教育も役立っていなかった」ということになりますね。​​
 でもご心配なく、​市民意識調査調査にはトリックがあるのです。​




◯第1のトリック・調査協力者は送られてきた依頼文と調査表を見て、以下のような認識を持つ
①「部落差別」をなくすための調査であると認識する。(「認知バイアス」の覚醒)
②「部落差別」について見聞した記憶がよみがえる。(主に小・中の同和教育)(「宣言的記憶」の覚醒)
③「部落差別」の存在を権威ある国や自治体が保証していると錯覚する。(「元型」認識)
 ※こうした認識は複合的なものであり、順序だてて派生するとはかぎりません。
​●調査は「3K部落問題」(《K》苦しい。《K》悲しい。《K》希望が持てない。)をまず認識させます。すると、「部落の人」と「あなた」が結婚するというハードルは当然ながら高くなることになります。そうです。第1のトリックは心理誘導です。その結果、「あなた」が「部落」に対する認識(偏見)を持っていようがいまいが、調査依頼・調査票を見ると「部落の人」との結婚を忌避したくなるはずです。それでも「絶対にしない」という人が8・4%しかいないというのはむしろ意外に少ないのかもしれません。​

◯第2のトリック・協力者の大半は「適齢期でない人」である​
①この調査は20歳以上80歳以上を対象として行われている。
②「結婚をする人」の対象となるのはせいぜい20代から30代の終わり頃である。
③50代から70代の人に「結婚するかどうか」聞いても仕方がないはず。

​●そこでこの調査集計表から結婚適齢期である20代、30代だけを取り出して回答を見ると、​
 ​「自分の意思で結婚する」と「家族や親戚の反対があっても、できるだけ理解を得て結婚する」を合計すると以下の通りになります。​
①20代男性では67.2%
②20代女性では67.3%
③30代男性では62.4%
④30代女性では51.3%
​ どうですか?20代の男女では「結婚する」という人が70%ちかくになるのです。全体の平均から見ると20%も高くなるのです。そうです。なぜ適齢期だけを調査の対象にしなかったのか? これは、「差別がきびしい」という先入観を補強するための調査だからのようです。ここでは社会心理学でいう「確証バイアス」という都合のいい情報だけを集めて、先入観を補強するトリックが使われています。 ​
 

​◯第3のトリック・「わからない」を消極的回答に位置づけている​
​​​​​​ 部落に対する偏見を持たない人たちにとっては、調査で「部落差別」が存在することを前提に、「あなたは部落の人でも結婚するか?」と聞かれたら、当然ながら「わからない」となります。さらに、男女とも40歳以上の年齢層も調査対象になっていますから、「わからない」と答える人が一定数存在するのは当然なのです。ゆえに「わからない」というのは否定的回答と解釈すべきでなく、むしろ「考えたくない」「どうでもいい」という認識から出ている選択と考えるのが妥当であると考えます。​​​​​​

​この「わからない」を前記の数字に加えると以下の通りになります。​
①20代男性では67.2%+わからない21.9%=89.1
②20代女性では67.3%+わからない17.8%=85.1
③30代男性では62.4%+わからない21.2%=83.6
④30代女性では51.3%+わからない30.0%=81.3
​ 「わからない」を「結婚する」に入れると、20代30代の数字はすべて80%を超えるのです。さらに、「1986年神戸市民意識調査」も「1991年神戸市市民意識調査」も、「どちらかといえば当人同士」と「当人同士」を合計すると80%を超えているのです。 ​
 この傾向は神戸市に限らず福岡市など政令都市の市民意識調査結果にも当てはまるようです。興味と時間のある人は一度確認してみて下さいね。

◯これは大変!同和対策も人権・同和教育も役立っていなかった​
​​ こうした視点で分析すると、​もう「部落」に対する偏見は19年以前から基本的に解消しているようですね。​もし、この指摘が誤っていると言うならば、これから行う市民意識調査の質問の中に、​「部落差別はほとんどなくなりました。あなたは相手が部落の人とわかった場合、あなたは結婚しますか」​という項目を入れてみて下さい。​​

●市民意識調査のトリックを読み解けば以下の結論が出てきます。
①19年間の調査結果はほぼ同じであることから、部落に対する偏見はほぼ解消している。
② 19年間の同和対策、人権教育・啓発、部落解放運動は無意味であった。
③同和対策、人権教育・啓発、誤った部落解放運動の継続は「部落差別」を再生する。
④「部落差別解消推進法」に基づく市民意識調査は無意味である。 




​2、市民意識調査は「オレオレ詐欺」と同じ原理で意識誘導されている​​​

◯人間の心理は誘導できる
 人間の心理は誘導できることはご存知ですね。例えばマジシャンは観客の心理や脳のクセをうまく利用して人をコントロールします。「この中からお好きなカードを1枚、選んでください」と言って、相手に選ばせているかのように見せかけて、実はマジシャンがコントロールし、思惑通りのカードを選ばせていますね。これを心理誘導と言います。
 国および自治体は自らの権威を利用し、市民意識調査によって国民や市民の心に「部落」に対する偏見が存在することを証明するために、個人の「部落」に関する記憶および感情を呼び起こすための選択肢を意図的に作成し、選ばせています。広い意味でいえばこれも心理誘導になります。
 この心理誘導を犯罪に利用しているのが、「オレオレ詐欺」です。

​​​◯心理誘導は言葉によって行われている​​​
​ 聖書に「最初に言葉ありき」とあるように人間の意識は言葉により支配されています。有名な心理学者ユングは無意識の中心には「元型」という証明の難しい概念があるとし、その「元型」は時空をこえ、すべての人類が共感する言葉による物語の素になり、人類共通イメージが作り上げられていると主張しています。​
​​ その人類共通イメージが基礎になって作られるのは神であり、国家であり、法律などの権威や権力です。当然ながら家族や家族愛なども入ります。「オレオレ詐欺」にはこの人類共通イメージが利用されています。​​
 その原理は心理学・社会心理学という領域を越えて、ユヴァル・ノア・ハラリ(『サピエンス全史上・下』の著者)が指摘するホモ・サピエンスの脳の進化という視点からみても、脳と意識の関連が大きく解明されている脳科学によっても証明されつつあります。

​◯「オレオレ詐欺」の誘導手法
​ 人類共通イメージを子どもが大好きな『ウルトラマン』で分かりやすく説明しますと、①地球は最も大切なもの(宝)である②それを破壊するのが侵略者(悪)である怪獣③それを助けるのが『ウルトラマン』(正義)となります。世界の童話や民話はほぼこのパターンでできていますね。​
●「オレオレ詐欺」の誘導手法
①家族愛―家族は危害・迫害を加える者から守るべき大切なものである。
​          (宝が悪に奪われようとしている)​
②権威・権力―弁護士や警察官、行政職員は信用できる、信用すべきもの。
​          (正義の味方が助けに来てくれた)​
 そして、道具として電話が使用されるため、相手のリアル性は捨象され、①と②だけで回答を迫られる。

○市民意識調査の誘導手法​
 一般的に「部落問題」については、市民生活において日常的に意識され、選択を迫られるという問題ではありません。よほど「部落」に「関心」がある人以外は、学校や職場における人権教育・啓発や研修で知り得た記憶しかないのがほとんどですから、「オレオレ詐欺」原理を使えば誘導は簡単にできますね。
①家族愛―結婚することで「部落差別」に巻き込まれる恐れ。
​            (宝が悪に奪われようとしている)​
②権威・権力―調査の主体が権威ある国や自治体が行うことで、差別が存在することを信じ込む。
​    (正義の味方が言うことにまちがいない)​
 そして、非現実―調査表に書き込むだけなのでリアル性が捨象され、①と②だけで回答を迫られる。





​​​3、部落に対する「偏見」を調査するのは無意味である​​​

​◯「部落差別はほとんどなくりました」という市民意識調査はできない​
​​​​​​​​​​​​ 当ブログでは、これまで心(脳)への「恐怖条件づけ」が偏見を生むことを検証してきました。

(恐怖条件付けについては過去記事参照:リンククリックで開きます)

​​​​​​​​消えゆく「部落民」―心のゴースト③​心になぜ差別・偏見というゴーストが生み出されるかを探究する ​http://jinkenren.blog28.fc2.com/blog-entry-33.html​​​​​​​​​​​​​​
​​
消えゆく「部落民」―心のゴースト④​​​​ ​ネット規制―あなたの「差別と偏見」が国家支配に利用されるhttp://jinkenren.blog28.fc2.com/blog-entry-35.html


 
 特に、「部落差別」の解消段階を無視した人権教育・啓発、誤った部落解放運動は百害あって一利なしであることが、部落に関する市民意識調査を分析する中でほぼ明確になりました。​
​​​​
 もともと政党支持や政策選択に関する調査とは違い、人間の捕まえどころのない内心を調査するのは困難であることはいうまでもありません。特に偏見が差別行為に転換するかどうかは社会条件や人間関係によって縛られるもので、調査結果で「結婚しない」という回答が10%ちかくあったとしてもそれは直ちに現実化するものではありません。

◯市民意識調査は「部落民」という心(脳)のゴーストを生み続ける​
 これまでのような市民意識調査を続けている限り、少数とはいえ「部落」に偏見を持つ人がいることが確認できるでしょう。内心にある偏見は「差別は存在する」という現実に転化させられ、それが「部落民」という心(脳)のゴーストを生みだします。
 「部落民」―心(脳)のゴーストとは封建社会においてではなく、新しい差別を創る培地(細菌を育てる場所)である人権教育・啓発、誤った部落解放運動、それに追随するマスコミが創りだした現実を超越した存在のことです。 
 それは脳内のシミから生まれる虚構であり、本来、実態のない「部落民」という幽霊のことです。特に「ネット社会」ではこの幽霊にとらわれた人たちが加害者となり、被害者となるのです。​

​◯「ネット差別者」をなくすより「部落民」を無くす方が先だ​
​ 「部落差別解消推進法」は法的基盤である「部落差別」が基本的に解消しているにも関わらず制定されました。この法律は「ネット差別」を根拠にしていますが、同和特別法が失効し、組織や活動が衰退に瀕している部落解放同盟をはじめとする運動団体の社会的地位保全、あるいは救済法というべきものです。 ​
 その根拠は自治体や公共団体との癒着、運動団体への補助金を正当化し、継続するためのもので、実際に全国の自治体を見ると、運動団体の事務所が公共団体にあったり、活動費への助成が行われています。
 「ネット差別」というのはほぼ口実にすぎません。本当に「ネット差別」をなくすならば、「ネット差別者」を無くすより先にしなければならいことがあります。それは「部落民」を無くすことです。 
 そのためには「部落民」を前提とする同和対策、人権教育・啓発、誤った部落解放運動を速やかに解消することです。
 では仮に部落差別に遭遇したら? その時は裁判所に訴えて下さい。




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